この記事を読んでいる人の大多数は日本に住み、日本企業に勤め、円で収入を得ているのではないでしょうか。よって、これから投資を始める人は日本の国内株に投資して、高い配当金を受け取り、資産形成をしようと検討している人が多いと思います。しかし、私は長期的に財産を築くには、国内株式よりも米国株式への長期投資を絶対におすすめします。今回は日本と米国を比較し、日本株式よりも米国株式への長期投資がいかに合理的に資産形成できるかを3つの理由から紹介します。
株式投資はリスクを伴います。十分にリスクを考慮したうえで、ご自身の判断で投資するようにお願い致します。
結論
1.日本と米国のGDPを比較すると、米国のGDPは右肩上がりで成長は今後も続く。
2.日本の人口は今後減少の見込みだが、米国は増加の見込みであり、米国国内のマーケットが拡大していく。
3.日本平均株価とS&P500の推移を比較すると、S&P500は右肩上がりで日本平均株価よりも大きなリターンが期待できる。
日本と米国のGDP(国内総生産)と人口推移の比較
まずは経済の発展を示す指標であるGDP(国内総生産)と人口推移を米国と日本で比較します。GDPはその値が大きいほど、その国の経済力、稼ぐ力が強いことを示します。
2020年の日本と米国のGDPを比較すると、日本のGDPは5兆米ドル、米国GDPは27兆米ドルで、その差は5.4倍あります。また、米国GDPの内、7割は個人消費であると言われています。つまり、米国は米国国内でのマーケットのみで消費が循環していると言えます。そして、米国の人口は今後も増加する見込みで、米国国内のみで消費が循環していることから、今後も米国経済は上昇しやすい環境にあることがわかります。
一方、日本はどうでしょうか。日本の人口は今後、減少する見込みで、日本国内のみをマーケットにしている企業は業績が伸びないことが推定されます。よって、日本企業は日本国内だけのマーケットでは業績の上昇が期待できず、諸外国にモノ・サービスを輸出しなければ生き残れません。つまり、諸外国をマーケットにするわけですから、その分、リスクが伴います。したがって、米国と比較し、日本経済は上昇しにくい環境にあることがわかります。もちろん、日本企業の中には、諸外国にモノ・サービスを輸出し、成功している素晴らしい企業はあります。
私が言いたいことは、米国企業は人口の増加に支えられて拡大し続けるホームマーケットで高い収益を得やすいこと、つまり、米国企業は長期的に成長する見込みが高く、日本株式よりも米国株式へ投資する方が大きなリターンと安心感があるということです。
日本平均株価と米国S&P500の比較
実際に日本平均株価(日本を代表する株価インデックスで225銘柄の株価の方向性)とS&P500(米国を代表する500銘柄の企業)の推移を見てみましょう。
S&P500は長期的に右肩あがり。コロナ渦でも史上最高値を更新し続けています。1982年から2022年の30年間で9.7倍に成長。もちろん、この30年間には米国ITバブル崩壊2000年、米国リーマンショック2008年などの危機的状況もありました。そんな中でもS&P500は成長が続いています。
一方、日本平均株価はS&P500と比較して横ばいです。1982年から2022年の30年間で1.5倍に成長。日本平均株価は短期的に上昇、下降を繰り返し、米国と比較すると日本経済は成長していないことがわかります。したがって、日本株式を長期的に保有していても、長期的な成長が見込めず、リターンも期待できません。これまで物価の上昇が感じられず、気になりませんでしたが、日本は世界と比較し、相対的に貧乏になっています。つまり、知らないうちに諸外国が日本の経済力に追いついてきているということです。
まとめ
いかがだったでしょうか。日本株式よりも米国株式へ長期投資すれば、リターンが得られる可能性が高いことが理解できたと思います。今後もこの傾向が変わるとは思えませんし、米国株式は情報の開示もしっかりしており、安心感があります。よって、私は日本株式よりも米国株式への長期投資を断然おすすめします。