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日本企業と何が違う?経済成長を続ける米国企業の特徴

日本企業と何が違う?経済成長を続ける米国企業の特徴

米国の経済成長は長期的に右肩あがりの成長を続けています。一方、日本の経済成長は米国と比較し、横ばいです。この違いは何が原因なのでしょうか。今回は米国企業の文化について紹介します。日本企業で働いている人は米国企業との企業文化の違いに納得できる部分がきっとあるはずです。

結論

米国企業は、
・経営者が株価に強くコミットする。
・コーポレートガバナンス(企業統治)がしっかりしている
・決断のプロセスが速い
・フロンティアスピリット(開拓精神)が強い
・優秀な大学、大学院が多く、優秀な人材が集まる。

経営者が株価に強くコミットする。

米国企業経営者の報酬は会社の株価の業績に直結します。米国企業経営者は成果を上げれば多額のボーナスが支給されるが、業績が悪化したり、成果が上げられないと、あっというまに解雇されてしまいます。つまり、米国企業経営者は米国企業内、企業同士で過激な競争が常に強いられているというわけです。結果として、米国企業は大きく成長していきます。一方、日本の大企業は終身雇用制度を採用しています。したがって、日本企業経営者は定年まで役職や解雇が保証されやすく、それなりに働いていれば大企業で働き続けることができます。つまり、米国と日本では企業カルチャーが根本的に異なるため、日本企業の成長は米国企業よりも劣ってしまうのです。

コーポレートガバナンス(企業統治)がしっかりしている

株式会社におけるコーポレートガバナンスとは、「会社は経営者のものではなく、資本を投下している株主のもの」、つまり、会社の所有者である株主の利益を最大化させることに、企業としてしっかり取り組んでいるかどうか、企業経営を監視する仕組みのことです。米国企業は安心して投資するに足るだけの信頼感があります。

決断のプロセスが速い

日本企業と比較して、米国企業はランニングチェンジ(走りながら修正する)の傾向が強く、決断のプロセスが極めて速いです。米国企業は60%程度の成功確率があればどんどん仕事を進めていきますが、日本企業は80%以上の成功確率と経営トップにまで稟議を上げるプロセスを重視し、誰も責任を取らないリスク回避の体制から、決断が遅くなりがちです。ただ、日本企業のプロセスでも、ビジネスの方向性が100%あっていれば、現場、マネージャ、役員、経営トップまでプロジェクトの方向性が浸透しているので、統率の取れた動きが取れるメリットがあります。しかし、何らかのトラブルが発生した場合は、即応できないため、そんなこんなしているうちに米国企業に先を越されてしまう問題があります。近年のビジネスはスピード感がますます重視されていきます。よって、米国企業の方が質は悪いかもしれませんが、おいしいところは先に持っていかれるというわけです。

フロンティアスピリット(開拓精神)が強い

米国企業はこれまで世の中になかったモノ・サービスを真っ先に開発し、世界中の人々から絶賛され、受け入れられています。新しいモノ・サービスは既存の業界を破壊するため、既存の業界は新しいモノ・サービスに対抗できないと消えていきます(ウーバはタクシー業界を破壊し、アマゾンはスーパーマーケット業界を破壊してますよね。)。米国市場はこのような新陳代謝が激しいからこそ、米国企業の活性化が促されます。こうしたフロンティアスピリットと新陳代謝によって、米国市場の経済規模はどんどん拡大し、米国は高い経済成長率を実現しています。

優秀な大学、大学院が多く、優秀な人材が集まる。

2022年の世界大学ランキングによると、上位10大学のうち8大学が米国の大学です。優秀な大学で学ぶことは将来が約束される近道で、野心を持った優秀な人材が米国に集まります。彼らはイノベーティブな発想を有しており、彼らが卒業した際は米国のグローバル企業に入社し、これまでになかった新しいモノ・サービスを開発することでしょう。よって、米国企業の新陳代謝がますます活性化していきます。

出所:Times Higher Education World University Ranking 2022より著者作成

まとめ

いかがだったでしょうか。米国企業は日本企業と比較し、企業内、企業同士で過激な競争が常に強いられていることが理解されたと思います。日本の終身雇用制度が悪いというわけではなく、競争意識の低さが米国経済との差を生んでいるというわけです。結果として、米国企業は速く、大きく成長し、日本企業は緩やかに成長しています。このような企業文化の違いからも日本株式に投資するよりは米国株式に投資した方が、大きなリターンが得られる期待が高いと言えますね。

株式投資はリスクを伴います。十分にリスクを考慮したうえで、ご自身の判断で投資するようにお願い致します。

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  • この記事を書いた人

Mofupichi (もふぴち)

30代会社員。 資産運用の興味からブログ開設。 ビジネスに役立つスキル(英会話など)や生活を豊かにできるようなノウハウを発信。

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